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技術士を受験するⅡ(12):筆記試験を受けてきた(鋼構造及びコンクリート)

昨日、技術士の建設部門(鋼構造及びコンクリート)の筆記試験を受けてきた。8年ぶりの受験だった。

つかれた、とにかくツカレタ。まだ疲れている。

6月の頭から約1ヶ月間。だいたい毎朝1時間位勉強して、余裕があれば夜中も。週末はマクドナルドと図書館で勉強。

試験地(札幌)には前日入りし、すすきののカプセルホテルに泊まっても外には行かず、食事はカップ麺とコンビニのおにぎり。

ストイックにストイックにチャレンジしてみた。

午前中は建設一般の問題Ⅰ。回答時間は2時間。

問題Ⅰ

出題は「巨大地震への防災対策」と「第2フェイズ」だった。1問を選択して600文字×3枚で回答する。

「第2フェイズ」は勤め先の社内講師から提供されていた予想問題とドンピシャ。なので、暗記していたのを吐き出すだけだった。すげーよ、感謝だよ。

[1枚目]多面的な観点と課題3つ
課題①:地域インフラ群を再生する戦略マネジメント
課題②:DXによる生産性向上
課題③:国民参加の促進と真のパートナーシップの構築

[2枚目]課題①についての解決策
1:計画策定プロセス(対象エリアの設定、計画策定)
2:実施プロセス(業務発注、業務管理、業務の標準化)

[3枚目]新たに生じるリスクと対策、業務遂行の要点・留意点
生じるリスク:管理放棄地による国土荒廃
対策:国土管理の構想、地域管理構想
要点・留意点:ここは上記を組み合わせた定型文となる。

1時間で回答&チェックを終え、午後の試験に備える。でも、現行ルールでは途中退出が出来ないので、自席で午後の分の暗記を吐き出して問題用紙に記載していた。

問題Ⅲは「全体最適化」と「更新事業」を用意していたけど、午前中に「第2フェイズ」が出たから、毛色の似ている「更新事業」は出ないでしょうと予想を立てて「全体最適化」の準備に専念。

骨子の暗記は十分だったし、文章全体も問題なく出てくるようだ。

午前中は「第2フェイズ」「持続性確保」「住民避難」の3つを用意していたので、1800文字×5例題をびっちびちに暗記していたから、試験中の時点で3例題分の暗記から開放されて、気分はとっても楽になっていた。

午後の試験は3時間半。

問題Ⅲ(90分)→問題Ⅱ-2(60分)→問題Ⅱ-1(30分)→見直し(30分)の時間配分で解くのがセオリー。机の上の時計とにらめっこしながら、問題を解いていく。

問題Ⅲ

出題は「技術伝承」と「業務の効率化」。これも1問を選択して600文字×3枚で回答する。

「技術伝承」かぁ。これ用意してた人、少ないんじゃないのかな。っていうか、これって鋼コンの専門問題なの???

俺は「業務の効率化」を「全体最適化」として回答する。これも社内講師の予想問題とほぼ同じ。すげーな。

問題に合わせて若干アレンジはしたけど、ほとんど暗記を吐き出して40分くらいで解答。

[1枚目]多面的な観点と課題3つ
課題①:プロセス全体の最適化
課題②:コスト以外の項目を用いた総合評価
課題③:技術開発を促す発注方式

[2枚目]課題②についての解決策
PCa工法の導入促進について
1:構造の標準化による効率化(明確化、単純化、標準化)
2:Value for moneyによる総合評価(評価項目、経済評価、比較検討の留意点)

[3枚目]新たに生じるリスクと対策、業務遂行の要点・留意点
生じるリスク:複雑・繁雑な書類で普及が進まない
対策:民間審査制度の活用による品質管理手法の簡略化

問題Ⅱ−1

解いているうちに問題Ⅱ−2で迷いが生じたので、問題Ⅱ−1にスキップ。迷っている時間などないのだよ。

コンクリート問題は「Ⅱ−1−3プレキャスト工法」と「Ⅱ−1−4寒中コンクリート」。

ラッキー問題でしょ、今年は。北海道に住んでんだし「寒中コンクリート」を解こうと思ったけど、はて、気象条件の概説???温度以外の要件があるの???温度も平均だっけ、最低だっけ、値を間違ったら元も子もないよな、と諦めて「プレキャスト工法」を選択。

これも仕事で扱ってるから大丈夫。設計コンサルは生コンの配合とかに弱いってのもあるし、こっち選んだ人の方が多いような気がする。

問題Ⅱ-1は、600文字×1枚で解答。端的にあっさり書かないと理解できていないと思われちゃうので、文章が長くならないように注意して回答していく。なんか、今どきっぽい解答になっちゃったな。

事例:ボックスカルバート

(漏水対策)
留意点①:現場打ちと比べて接合部の一体化が弱い。
対 策①:地盤が良いときはシーリング材による止水程度。
     軟弱地盤で沈下が予想される場合はゴム系の高弾性材や可とう継手。

(施工ヤードの確保)
留意点②:現場打ちと比べて現場条件への柔軟な対応が困難。
対 策②:UAV測量で現況に即した地形で施工計画を検討。
     4DのCIMモデルで時系列の配置検討。

問題Ⅱ−2

これが今回の試験の山場だった。

問題は「Ⅱ−2−1:超過外力に対する冗長性」と「Ⅱ−2−2:点検困難部の損傷」からⅠ題選択し、600文字×2枚で解答。

専門とする事項を『コンクリート構造物の補修設計』と謳っていることだし「点検困難部の損傷」の方が得意。冗長性は何となく聞いたことはあるけど、書くのは無理だった。

問題分を丹念に読んでいく。条件は『老朽化』『地上構造物』『狭隘部』『密閉部』『表面被覆された不可視部』。

ぱっと最初に思い浮かんだのは、ボックスや擁壁背面の空洞化。出水後の洗掘や目地部からの背面土流出だったらどうかな?でも、これって鋼コンの話題じゃないし、ボックスって地上構造物じゃないよねとボツに。

うーーん、箱桁の補修は?ポステンの箱桁のフランジから漏水してて、穴開けたり、シースの空洞を調べたりした案件あったよね。、、、でも、トリッキーなのは書きにくいんだ。河川の口頭試験のときに散々苦労したじゃん。マイナスからのスタートはダメ。ボツ。

こんな感じのことをⅢ問題とⅡ-1問題を解きながら考えていて、それでも浮かばなくて。

1時間くらい悩んだところで、出てきました!!

『床版上面の土砂化』

これって舗装で被覆されてる不可視部だよね。よく仕事でも扱っている題材。これなら無理なく書ける。これを閃いたときに、今までの勉強や業務が報われた気がした。

[1枚目の前半]調査・検討すべき事項と内容
・打音調査      :舗装全体の土砂化範囲の把握(濁音)
・舗装開削調査    :床版上面の状態把握。打音の非健全部と健全部との対比。
・小径コア削孔面の観察:床版下面から実施可能(交通規制不要)。
            多点調査で開削調査の精度向上

[1枚目の後半から2枚めの前半]業務手順と留意点・工夫(ここは曖昧)
①現状把握と原因推定:損傷図・写真帳で視覚的に把握。路面勾配の低みに着目。
②健全性評価:ひび割れ状況で評価。亀甲状なら規制提案で第三者被害を未然防止。
③対策工法の検討:断面修復or床版打ち替え。床版防水&排水強化。
④仮設工の検討:交通規制、迂回路、機械配置。長大橋なら複数年の切り廻しを検討。

[2枚めの後半]関係者との調整方策
・発注者:合同現地踏査。損傷、仮設に共通認識。設計方針の明確化。
・道路利用者:バス、警察、消防。合意形成でクレーム防止。
・施工業者:発注者を交えた3者会議。設計意図伝達。円滑化、品質確保。

今回の受験結果のまとめ

問題Ⅰ :予想答案が当たってて良かった。こんなの会場で準備できないって。
問題Ⅲ :予想答案が当たってて良かった。まともに考えてたら時間なくなっちゃうよ。
問題Ⅱ−1:ラッキー問題。これはみんな取れてるかも。
問題Ⅱ−2:閃くまで耐えて良かった。時間が残ってて良かった。

久々に受験してみた感想

もう勉強したくない!!!(技術研鑽はするよ。暗記は嫌じゃ)

あとね、結構、勉強とか暗記していない人が多いんじゃないかな????

会場に空席が1〜2割はあった。午後に出てこない人が2割くらい居た。
うちの会社の人でも社内講師の予想問題の答案を作って来ない人も居た。
年を重ねるたびに、暗記はしんどくなっていくし…。

ん〜〜〜?? 合格率が1割なのって、この影響があるのでは??

感覚的には6割くらいの人が準備不足なのかも。
うちの会社は的確な社内講師がいる分のビハインドがえげつない。

こんなこと公言して、落ちちゃったら恥ずかしいんだけれど、大丈夫な気がする。

 

試験勉強から開放されて、帰り道。行ってみたかった都会のお店「サイゼリヤ」を堪能してきた。

頑張った。とても頑張った。

2023年度の記録

技術士を受験するⅡ:episode0
技術士を受験するⅡ(1):試験内容を整理する。
技術士を受験するⅡ(2):スケジュールを立てる。
技術士を受験するⅡ(3):願書を作成する。
技術士を受験するⅡ(4):試験問題を再確認する。
技術士を受験するⅡ(5):もう勉強したくないな(するけど)
技術士を受験するⅡ(6):予定通りには進んでいる
技術士を受験するⅡ(7):問題1について整理する
技術士を受験するⅡ(8):問題3について整理する
技術士を受験するⅡ(9):問題2−1について整理する
技術士を受験するⅡ(10):問題2−2について整理する
技術士を受験するⅡ(11):ラストスパート
技術士を受験するⅡ(12):筆記試験を受けてきた(鋼構造及びコンクリート)

2015年度の記録

技術士を受験するⅠ(1):勉強具合を記録する。
技術士を受験するⅠ(2):受験申込書を考える。
技術士を受験するⅠ(3):経験小論文に悩む。
技術士を受験するⅠ(4):経験論文を修正する。
技術士を受験するⅠ(5):願書を出す。
技術士を受験するⅠ(6):筆記試験の内容を把握する。
技術士を受験するⅠ(7):課題解決まいった
技術士を受験するⅠ(8):むしろ落ち着いています。
技術士を受験するⅠ(9):先に言い訳をする。
技術士を受験するⅠ(10):二次試験の受験メモを残す。
技術士を受験するⅠ(11):筆記試験の合格発表
技術士を受験するⅠ(12):筆記試験の合否通知が届いた。
技術士を受験するⅠ(13):つらくて、しんどくて。
技術士を受験するⅠ(14):諦めて東京(焼き肉)
技術士を受験するⅠ(15):まぁまぁかな
技術士を受験するⅠ(16):まぁまぁって事も無いかな。
技術士を受験するⅠ(17):口頭試験の記録を残す【下見編】
技術士を受験するⅠ(18):口頭試験の記録を残す【受験編】
技術士を受験するⅠ(19):口頭試験の記録を残す【望郷編】