年別アーカイブ: 2022年

色彩検定(2級)を受験してきた。

1.受験に至る経緯

俺は土木設計の仕事をしており、色彩関係の知識はほとんど持っていなかった。

ふとしたきっかけで、この資格を知ることとなり、2022年夏期に色彩検定(3級)を取得した。3級受験時の状況は過去の記事に整理した。

3級の勉強では、光(電磁波)と色(反射)の関係、受信器官(視細胞)としての眼の役割を知ることができた。特にPCCSのヒュー(色相)とトーン(彩度×明度)を使うことで色彩を体系的に扱うことが出来るようになったのが面白かった。

2級の勉強では、具体的な配色手法を学ぶことが出来た。10パターンのイメージ別配色法やナチュラルハーモニーなどの色彩調和を、ヒューとトーンでざっくりと作ることが出来るのが非常に面白かった。一般に「マンセル表色系」が使われているようだが、PCCSの方が分かりやすくて気に入っている。

2.勉強方法

11月13日の試験に向けて、7月から勉強開始。大体2週間おきくらいにマクドナルドにて休日の朝から1~2時間、マフィンを摘まみながらコーヒー片手に勉強。経験的な持論なんだけど、仕事も勉強も、長時間いっきに頑張ってもそんなに成果が出ないと思ってる。

3級の勉強で大体の調子は掴んでいた。公式テキストをざっくり読んで、とりあえず過去問を解く。知識を入れるのが主目的なんで、出るとこだけを覚えるのは本意じゃないんだけれど、試験勉強には過去問が一番効く。というか、過去問をやらないと(試験対策としては)時間が無駄になる。

隙間時間にも勉強。A5版くらいの小さめの参考書をトイレに置いておき、パラパラとめくる。ちなみに便は大でも小でも座ってするとトイレが汚れないし、本が読めるので良い。

参考書は試験に出ないところも解説してくれるので、試験対策としては無駄が含まれてるけれど、色の勉強としては大変楽しい。

3.過去問傾向

試験問題は基本的に「最も適切なものを選択せよ」の4択マークシートで、他の試験でよくある「誤っているものを選択せよ」が混じっていないのでケアレスミスは生じにくい。

問題の用語・選択肢は公式テキスト以外からは出題されないので、やっぱり公式テキストを買わないと受験対策としての勉強は困難である。

ちなみに2020年からテキストと試験内容が刷新されている。過去問は公式サイトで販売されているのを入手されたし(メルカリにも出品されてる)。

出題傾向はおおむね下記の通りで出題内容は毎年似ている。

  • 問1:「色のユニバーサルデザイン」
  • 問2~4:「色と光」
  • 問5~6:「色と表示(表色系)」
  • 問7~8:「色彩調和」
  • 問9~12:「ファッション」
  • 問13~14:「インテリア」
  • 問15:「景観色彩」
  • 問16:「慣用色名」※テキスト不掲載は不正解なので暗記してれば絞りやすい。
  • 問17:「色彩調和」「配色イメージ」※ここだけカタカナ用語の記述問題。配点が高い。

4.受験時間の配分

いろんな資格試験を受けてきたけど、色彩検定は出題数に対して試験時間が短い。反射神経で答えていかないと間に合わないと思う。合格率は7割程度で低くはないけれど、知識がない人や過去問に慣れていない人は試験時間の短さがネックとなって合格しにくいと思う。

俺は4択問題の試験が得意なのだが、時間配分は下記のようにしている。

  1. 最初の1分で試験問題をざっと眺める。(過去問と違うものがあれば、解きながら対策を考える。)
  2. 試験時間の半分で全ての問題を解く。(問題用紙の番号に正答と思われるものは『〇』、明らかにおかしいものには『×』、直感で分からないものは『?』や『△』の記号を付けて飛ばしていく。)(とにかく短時間で全部解く。ケアレスミスを防ぐため「大きい」や「強い」などの対比が前提の用語にもマーキングする。)(大事なテクニックなのだが、ここでマークシートに記載しないこと。マークシートへの記載は単純作業なので、解きながら記載するのは効率が悪く時間が無駄になる。)
  3. 問題用紙の最初に戻り、マークシートに回答を転載する。(飛ばしていた問題は、ここでやっと落ち着いて考える。マーキングを見ながらケアレスミスをしないように配慮する。)
  4. 最後にマークシートと答案用紙の正当に食い違いがないことをチェックする。(不思議なもんで、ここで見直した問題は間違えることが多い。今日の試験でも、時間が余ったもんだから、ここでじっくり見直してしまって1問落としている。直感の方があっているもんだ。)

今日の試験は試験時間70分のうち、20分が余った。俺は過去問は3パターン(2020冬、2021夏、2021冬)を4度ずつくらいこなしているので、回答スピードは速い方だ思う。

5.書けるようになっておいた知識

俺はもともと色彩の知識を持っていなかったので、初歩の勉強で苦労した方だと思う。

2級受験の段階でいまいち入りきらなかった知識を以下に書き出してある。要はここさえ試験前に振り返っておけば大丈夫だと踏んだわけだ。

マンセル表色系(てっぺんがR)はPCCSの色相環(てっぺんがY)の配置にしないと良く分からなかった。マンセル表色系の青の見た目が青じゃないってのは未だに納得していない。

PCCSのトーンの図もすぐ書けるようにしていた。問17(最後)のカタカナ記述問題は「トーナル」か「スプリットコンプリメンタリー」、「トーンオントーン」&「ドミナントカラー」、「トーンイントーン」&「ドミナントトーン」くらいしか出ないと踏んでいた。2022冬はマンセル値が出たけど。

問8では多色配色の選択問題が出るんだけれど、いつも何故だか取り違えるので答案用紙の端っこにメモしておくことにしていた。「スプリットコンプリメンタリー」ってカタカナで書けるようになっておかないと最終問題で3点も損するし。

問10でファッションのポジショニングマップが問われることが多いので、これも書けるようにしていた。今回は出なかったな。

問2ではプルキエンシフトの問題が出るので、分光視感効率のグラフを書けるようにしていた。暗いときに青(短波長)が見えやすくて赤(長波長)が見にくい、緑(中波長)はあんま変わらん。引っかけでもないんだけれど「高い」とか「低い」で揺さぶってくるので過去問では結構間違えた。

三色説(RGB)は色の表現として馴染みがあるんで分かるんだけど、へリングの反対色説は見えてないこと(光)なんだけど納得できるので好き。段階説の図の問題は出たことないんだけれど、視神経で受け取ってるのと脳が変換しているのが違うってのが面白くて、これは単に好きで書いている。

2級で出る光源の分光分布のグラフって、3種類の光源で8パターンしかないので、何回か書けば覚えれると思う。あとは今は使ってない低圧ナトリウムランプ(100%が600nm)がある。白熱電球の演色評価数Raが100ってのは未だに納得していない。ちょっと赤いじゃん、アレ。

配色イメージの名前が選択肢として求められることは無いんだけれど、2級の勉強で一番興味深いのがこの辺。大体こんな感じってイメージで色彩を組めるんだから面白いよなぁ。この辺は大いに自分の仕事に使おうと考えてる。

6.多分合格してます。

色彩活用研究所というサイトで、2022年冬期の予想回答が出ていたので、さっそく採点。

5問を落として190点くらいかな。例年の合格ライン140点以上は取れてるから合格していると思う。やっぱり迷った問題って落としているなぁ。

しかし!実務上はテキストを見ながら配色を考えればよいので支障なし!!

1級は難しそうだし、色彩意欲が増して来たら狙ってみようっと。

とりあえず次は「技術士(建設部門)鋼構造及びコンクリート」を取ろうと思ってる。今度も1年でぱっと取りたいなぁ。